otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

星屑の友達

otobokecat2009-02-11

噴火は続行しているとのことだが、朝、確認してみたところ、噴煙はほぼ白色に戻ってしまっていた。
FM軽井沢の記事によれば月曜の一回目の噴火は朝7:46頃というから、私の見た朝八時のねずみ色の噴煙はまさに噴火によって出てきた煙だったわけで、その証拠写真を撮り逃したのは本当に残念なことであった。ただこの日は11時頃の二回目の噴火の方が噴煙は高かったようで、初回は400mほどだったとのこと、つまり規模は大きくはなかったのは事実で、私の目には色の違いしかわからなかったのも致し方なかった。
今日店に来た地元のSさんによれば、2月2日の夜中の噴火の際、たまたま仕事中でおきておられて、地鳴りを聞いたということだった。ガラス戸も振動したという。5年前の9月1日の噴火は日中でしかも暑い季節だったので、町内の多くの人が噴火音や爆風を体験していた。大きな噴火はこの先起きるのかどうかわからないが、まだ火口付近には火山ガスが出ているらしく、用心するにこしたことはないだろう。
昨日も書いた様に、私が見た限りでは上信越道の碓氷軽井沢IC付近にかなり降灰していたが、車のヘッドライトが当たってその灰がガラスの粉のようにキラキラと光って、灰という粉っぽいイメージより金属的なガラスの粉のような感じだったのが印象的だった。山の火口の底から吹き上げられて旅してきたわけで、つまり宇宙の星屑に近い存在かと思うと、ちょっと触ってみれば良かったなぁと今にして思う。

今日は店を開けたが、お客さんは多くはなかったが、かといって皆無でもなく、水曜日ということで定休日にあたっている飲食店も多かったようだし、寒い時期だからこそやはり開けておいて良かった。発送作業や、市場で買ってきた本の手入れなど。縁あって手許に来た本の束を解く作業はいつも楽しい。
午後三時ごろから、ちらりちらりと風花のようなのが舞いはじめ、火山灰かと一瞬ぎくりとしたが、やがて雪が本格的に降り始めて、見る見るうちに灰褐色の地面が白く塗り替えられていった。最近ちょっとご無沙汰の「雪」だった。

夜半、外に出てみるとまだしんしんと雪は降っている。風もなくまるで雨が降る様に天からまっすぐ雪が降り落ち、雪原に着地するとき、結晶と結晶が触れ合うかすかな音がしている。ちっとも止まない雪…というと一冊の絵本を思い出す。
■『ゆきむすめ』木島始・文 朝倉摂・絵 岩崎書店ものがたりえほん17 [rakuten:book:11046941:image]

良くあるむかしばなしのひとつ「雪女の話」だが、赤い櫛が導入部分に使われ、見開きページにもう一枚つけた3ページ開きに一面の雪景色が描かれているのは珍しい。その赤と白のコントラストの鮮やかさ、雪降り積もる林の寂しさがこの話を凛と際立たせている。さすが朝倉摂の絵は演出がにくい。桃色の見返しのデザインもきれい。
ちょうどそんな雪の林がいま屋外に広がっている。何時まで降り続けるのやら。でもこれで少し埃っぽさが解消されるかも。