otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

心配事ははねとばせとび!

otobokecat2009-03-10

信州に引っ越して、この春は無防備でも大丈夫だったのだが、ここ数回東京行きから戻った翌朝に、目覚めたとたんくしゃみを繰り返し、洟がたれてくるわ、目はうるうる涙目という悲惨な状態となっている。スギ花粉症を数十年わずらっていたことを思い出した。そうだ、毎年薬漬けになっていた魔の三月!
それにしても花粉など極めて軽いし、全国的に飛んでいるのだろうが、不思議と発生源に近い信州にいる間はちっとも症状はでず、東京へ行った後にのみ花粉症の症状が出るのである。以前から複合汚染ではないかと思っていた。都会では土がなく花粉が何時になっても着地できずに、いつまでも巻き上げられているので、煤塵と一緒になった花粉によって花粉症になる人が多いのでは?と。もっともサル山のサルにも花粉症の涙目のサルはいるらしく、花粉症は都会のものという私の説にあまり説得性はない。単に私の体質がかわったのかもしれないし、はたまた加齢によるものか?さて、にわか花粉症も小青竜湯で軽く治まり、マスクをしなくていい三月を満喫している。遅れた春の訪れとともに、四月以降花粉症が発症するのかどうか。
今日は日中気温がみるみる上昇し10度を越え、陽だまりなどはぽかぽかだった。雪の残していった湿り気で地面がしっとりとしている。えさ台には今日もまだ鳥は来ている。餌台に鳥が来なくなったときが、追分に春が本格的にきた時ということになるだろう。
先ごろの雪で化粧直しをした浅間山は、今日は真っ青な空に白煙を勢いよくはいていた。数日前の会見でも火山は当面「レベル3」を持続ということだが、桜島がまた噴火したということだし、日本列島の火山は活動期に入っているような気がする。まあ白いうちはまだ大丈夫だろうと勝手に判断。勢いよく吐き出される煙から、地球の持つエネルギー(力)のようなものを感じ、人間はおそれおののき寡黙になる。


  ■残念ながら「猫に小判:日和」
まちなみカントリー・プレスのフリーペーパー「日和」4月号が送られてきた。日和ジャーナルにいろいろ春の情報が載ってます。長野県内の皆さん、手にとって見てください、ヨロシク。新生活を始める方にと作られた号だそう。
当店からは新書と絵本を日和文庫に載せた。新書は『ブルーノート100名盤』を。絵本は題名が長くて編集者泣かせの『エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする』(エリナー・ファージョン作 シャーロット・ヴォーク絵 石井桃子訳 岩波書店)。
主人公のエルシーは子どもの頃縄跳び名人と評判で、妖精からも秘技を伝授されるほど。でも大きくなってからはさすがに縄跳びから遠ざかっていた。時はながれケーバーン山麓の長閑な村に開発の手が迫る。これに抵抗した村人が縄跳び競争で挑むが、次々に力尽き・・・そこへ年老いて小柄になって、かつて子どものときに使っていた魔法の縄が使えるようになったエルシーが登場。そして何時までもいつまでも軽々と跳び続けて、村は開発の危機から逃れることができたとさ。
この本が翻訳されたとき訳者の石井桃子は97歳、これが出版されたものとしては最後の仕事となった。爽やかな色使いと軽やかなペン画による絵は、シャーロット・ヴォークがこのためにケーバーン山に出向いてスケッチしたと言われている。
折りしも今日3月10日は石井桃子氏の誕生日だった日。残念ながら今年から過去形となってしまったけれど、石井桃子の生み出した作品は、いつまでも夜空の星の如くまたたき続けるに違いない。
見上げればいつだってそこにある。

トップの写真:これはケーバーン山ではありませんが。春浅きイギリス湖水地方の一枚です。いまでもエルシーが縄跳びをしているような・・・。