otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

「る」手拭い

otobokecat2009-03-28

当店の七不思議に「古いものを扱うのに建物がやけに新しい。」とか「風呂屋ではないのに靴箱がある。」「食べ物やでもないのに暖簾がかかっている。」とかありまして、そのうちの一つが「本屋なのに手拭を配る」というのがあります。
実は、エコバッグの代わりに風呂敷を使いたかったのですが、お粗末な話で予算の関係で手拭となってしまいました。
手拭も今は結構ブームらしいですが、お洒落な柄のものならともかく、恥も外聞もなく店名がどーんと入っているのですが、ゴゴシマ屋の澄子さんがデザインしてくださった暖簾↑の図柄を使っているもので、毎回色も選んでいただきなかなか好評です。(とは言っても、これを実際に使って下さっているのは、今のところ西荻窪のGoriさんたった一人ですけれども・・・。Goriさんは手拭い頭に巻いてイタリアン作ってます)
ともかくそんな手拭いではありますが、「る」入りの今年の手拭を本日より店頭で2000円以上本をお買い求めの方に差し上げています。風呂で使うなり、ハンカチ代わりにするなり、ヤマト袋に仕立てるなり、台布巾にするなりしてお使いいただければ幸いです。

三年目の今年がなぜ「る」入りかといいますと、一年目に出来心で運が着くようにと暖簾の「ふるほん」の「ん」からはじめましたので、昨年が「ほ」、今年が「る」という風に遡ってきているわけなのです。つまり来春は「ふ」となり【予告】、めでたく4枚揃うと暖簾のように「ふるほん」となります。4枚揃う方はなかなかいらっしゃらないと思いますが、「ほる」「ふん」「るん」とまあいろいろ応用は出来るわけで。
これに伴いまして、厳冬の中お越しいただいた方にお配りしたオリジナル栞の配布はまだまだ寒い追分ですが、お休みとさせていただきます。

■江戸紫の「ほ」、煙草色の「ん」 実物はとても渋い色です。

しばしば触れているように、我々は昨春まで西荻窪の住人でした。この西荻窪はなかなかユニークな町でした(いや、現在も)。その町の住宅地の真ん中に小さなお菓子やサンがあって、住んでいたアパートからほんの数分のところでしたので、よく立ち寄って買い求めていましたが、ある日急に閉店。事情があって遥か故郷の沖縄に帰られたとのことでした。そのあとそこにこれまたユニークな「ニヒル牛2」という雑貨店が入り、その店についてもいろいろ語りたいのですが今は一応そのことはおいて置いて、その菓子店「がちまいや」について。実は、つい先だってその「がちまいや」さんが本になって私の目の前に姿を現したので、とても懐かしく、でもこんなに全国的に有名だったとはちっとも知らなかったので驚きました。美味しくて体にもいいという、飾り気の無いおやつの手本のような焼き菓子が、ガラスのジャーに入って並んでいました。買い物に行く途中にあったので、ついそのいい香りに誘われて、自転車を停めてふらっと寄ってしまったりした。私にとってはとても身近な店だったのですが、なんと恵まれていたんだといまさらながらに思います。
このきれいな本を是非とも当店の新刊コーナーに置きたかったのですが、あいにく我々のような小さな本屋は取次ぎの関係でかないませんでした。残念!どこかで見つけたら、是非中を見てみてください。見ているだけで元気が出てくるような健康的なお菓子とそのレシピが並んでいます。金木犀の花が咲く頃だったか、林檎が丸ごと入っているパイが焼ける佳〜い匂いがそこら一帯に漂っていたのを思い出します。
『がちまい家のオーガニックな焼き菓子』(謝花三千代 / エンターブレイン / Softcover / 本体価格1500円 )
軽井沢の「ありんこ菓子店」さんと一脈通じるところがあるように思います。
本屋と同じく、お菓子やさんがあることも「佳い町」の条件ではないでしょうか?

●暖簾、手拭ともに仙台の彦染さんが作って下さっています。
   →http://www.hikosen.net/

■NEW!! 番頭氏、本日またFM軽井沢(77.5)に午後一時頃に出演の予定でそうです。それからFM軽井沢のHPには本日雪マークが載っていますが、今のところ「快晴!」です。