otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

蝶と蝉と

otobokecat2009-05-19

■店の裏手のAさんのドウダンツツジの花が見事です。

とっくに都会には夏の暑さが来ているのでしょうが、ここはまだまだ「春」がまっさかりです。昨日午後二時ごろ、気温が上がってきたところでなにやら「ワンワンワーン・…・・」と林のむこうから聞こえて来るではありませんか。そうです、ハルゼミ。ついにハルゼミがなく時分となりました。昨日も今日も昼過ぎにごく短時間聞こえてきました。まだ試し鳴きというところです。やがて午前中から聞こえるようになり、鳥の声さえ聞きにくくなります。そうなると「ハルゼミ」とはいえあたりは初夏の気配が濃厚となります。ふとみると家の外壁に蝉の抜け殻が付いていました。あら、何時の間に!

昨日今日と番頭氏が松本での長野県の古書組合の大市と総会に出ていたので、開店日でなくても入金確認と発送、注文確認は私の仕事です。林の中の道を通り店に行く途中、晴れているからかフデリンドウがまたパッチリと開いていました。咲き始めているマイヅルソウの群落に出会いました。ハート型の葉も可愛らしい白い小さな花です。

日向には蝶が飛び交かっていました。特にウスバシロチョウがホワンホワンと優雅に飛んでいます。食草であるムラサキケマンがよく咲いた今年は、このウスバシロチョウの出現も多くなるかもしれません。あいにくなかなか止まってくれず、写真が撮れませんでした。昨年のアルバムから探してきました↓。

谷口高司さんは、鳥の絵の職人さんですから鳥の知識は勿論ものすごいですが、鳥と同じように蝶にも造詣が深く、かつての蝶の宝庫だった追分が原をご存知の一人です。今回は雨のために蝶をご覧に入れられなかったのは残念でした。唯一オオミズアオが草叢にぶら下がっていましたが。
『あめがふるときちょうちょうはどこへ 』(世界の絵本ライブラリー) メイ・ゲアリック、レナード・ワイスガード(金の星社)という静かな絵本がありましたね。
かつて杉並区で蝶の観察会に出たことがありますが、蝶が飛ぶには適した温度と場所があって、雨上がりの天気のいい日には温度の上昇とともにいっせいに蝶が飛び立ち、一本の樹がまるで「蝶の樹」みたいになった光景に遭遇したことがあったことなど思い出しました。蝶の食草や蜜源の花の苗を植えることで、「都会にも蝶が来る町を」という取り組みの一環でした。毛虫がいれば、その毛虫を食べる野鳥が来て、野鳥によって種子が運ばれ、羽虫も減りといった連鎖が始まっていくのです。
エコ博でそのことを呼びかけていると、子どもは目を輝かしていたのに対して、植木が毛虫にやられて丸坊主になるからいやだという女性も多かったのでした。
私たちが子どもの頃はちょうど高度成長期で、特に都市部で自然に目を向けるといった授業や取り組みはあまり行われていなかったようで、その代償といえると思います。

さて最後にこれは何でしょう?

■収穫し損ねたフキノトウのなれの果て。来年は沢山出るでしょうか?

 ↑在りし日のフキノトウ