otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

原画の魅力

otobokecat2009-07-15

5日間留守にしていたため、ブログも久々となりました。

日曜の朝、週末の国道18号と高速道の混雑が予想され、高速バスに3時間以上拘束されるのは敵わない、時は金なりというわけで、久しぶりにしなの鉄道から新幹線に乗り継ぎ東京へ出ました。(といっても大宮で下車、埼京線で新宿まで行きました。)
午前中の上りでしたが、しなの鉄道追分駅にも珍しくホームに沢山人がいて、途中並行して走る国道18号線上りはすでにのろのろでした。軽井沢駅も改札付近人だらけで、新幹線もほぼ満席。週末はやはり何処も混んでいるのですね。
むしろ大宮に着いたらJR車内は空いていました。そのせいか車内はやたら涼しく、寒いぐらいでいったいこれで節電しているのやら…。日頃エアコンから遠ざかっている身にはちと寒暖の差が大きくこたえました。汗ふきと冷房対策で首にタオル地のスカーフをずっと巻いていました。
翌月曜日は中央市に出かけ、古書会館で荷物を積んだオデッセイ号到着を待ちましたがいっこうに現れず、この日は荷が多く市場が混沌としていたので気をもみましたが、なんとか15分遅れで到着。出品荷物をカートで運び上げて無事出品完了。それにしてもここでも冷や汗をかいたり、市場のクーラーにぐーんと急速に冷やされたりで、都会の温度調節は実に難しい…。
来週からは8月一杯は無休なので、この日が夏営業直前の最後の仕入れでもあり若干気張り目に入札。こういう荷物の多い日は値付けが二極化するため、欲しい場合はどうしても高めになってしまいます。作戦は当たり?どうにか落手することができました。
荷物を車に運び込んで、私は実家に向かいました。いつもと違い今回は主婦代行もあるため、すたこらと。
翌日は、母の病院行きに同行。沿線の私鉄一本で目的地まで行けるのですが、各駅停車→急行→特急と乗り継ぐのには、本来は付き添いの私が先導すべきでしたが、田舎人としてはもう後を付いて行くのみでした。病院には元気でないととても行かれません…ね。

病院から戻って昼食を食べた後、夕食の支度まで時間が少しあったので、ひとりで世田谷文学館堀内誠一展を見に行きました。7/4の拙ブログに取り上げたように、図版代わりのコロナブックスが出たときからなんとか行きたいと狙っていたのです。平日は人影もまばらで会場も静まり返っていたので、ゆっくりと楽しめました。見ごたえのある展示でしたが、中でも絵本と絵地図の原画を見られたのが嬉しかったです。詳細な絵地図の鑑賞用に虫眼鏡が置いてありましたよ。実に細かく美しい仕事ぶりでした。
絵本の原画はその色使いの美しさが感激的でさえありました。堀内誠一の絵本は、当店でも沢山扱っており日頃目にしていますが、原画とは随分色目が違うのに驚き、同時にちょっと残念でした。アート・ディレクターでもあった彼が、色の校正はしなかったんだろうかと不思議でさえありました。

くろうまブランキー

くろうまブランキー

この日にみた原画のなかで、印刷された本を見慣れている私に鮮烈な印象を与えたのは『くろうまブランキー』の表紙の原画でした。色の鮮やかさ、ツリーの飾りの質感といい、色の扱いに長けている堀内誠一ならではのものでした。構図が逆版でもあり、「こどものとも」は簡単製本の本だから仕方ないとしても、残念ながらハードカバーの傑作集でもこの点は改善されておらず。
『くるみわりにんぎょう』もまた原画の色の鮮やかさが際立っていました。つくづく原画を見ることができて良かったと思ったのでした。
くるみわりにんぎょう

くるみわりにんぎょう

ブックストアでは、象のぐるんぱのぬいぐるみなどとともに未発売に終わった児童書や絶版の本などを古本で買える様になっていました。こういうところで、古本を扱っているのは珍しく、でもよい試みだと思いました。
■実家の植木に何かのツルが巻きつき、白い蕾を沢山つけていましたが、咲くのを見ないうちにしぼんでしまいおかしいなと思ったら、なんと夜に咲いていたのです。義妹が写真を撮って送ってくれました。なんとも妖気漂うこの花はカラスウリの花だったのです。