otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

鈍行列車の旅【小布施行】

otobokecat2009-09-04

春の小布施の境内アートにブック・カフェとして麦小舎さんと参加した際、この小布施の町に今夏図書館ができること、そのために今奮闘中だということを住人のKさんから伺って、今まで漠然と公立の図書館というものは役所が作るものであると決め付けていて、町の人が立ち上げに参加して、どういった図書館が作りたいかということを色々検討したりして出来上がることもあるということを知って驚いた。話しかけてきたその人こそ、公募で選ばれたこの図書館の花井館長さんだったのだ。しかもそのオープニングイベントに古本を絡めないかというのだ。図書館と古本?と戸惑いつつも、既成概念にとらわれない自由な心に惹かれるものがあって、あれこれ考えた。
図書館の本も、古本も本のリユースという点で共通点はあるが、図書館それも公立だと本はただで借りられて、一方古本は売買される、つまりお金がかかるということが決定的に違う。しかし「本」が好きなひとにしか価値の無い場所という点は共通であり、「本」をさかなに人と交流できるということでは、いまや徐々にブームになりつつある「一箱古本市」だったら、業者の古本市と違って図書館とも友好関係が築けるかもしれないと思った。そして、思わず明日は番頭が来ますから、おそらく彼も興味を持つだろうと応対したのだった。
境内アート一日目が終了して、迎えに来てくれた番頭N氏に車の中でいつしかこの新たな試みについて熱く語ってしまったのだった。
翌日、番頭が小布施へ出張し、ついに何らかのお手伝いをすることになったのだった。
しかし、谷根千の「一箱古本市」が成功している背景には、多くのボランティアスタッフが数ヶ月前から集まって準備を重ね、当日も参加者とは別に裏方を支えるサポーターあってのイベントだということを知っている身としては、小布施の場合は前日の9月4日の開館記念講演にリッツカールトンホテルの日本支社長の高野登さん(信州出身)がみえ、「人と経営研究所」所長の大久保寛司さんとの対談があるということまでは決まったものの、7月に開館する新図書館(:町としょテラソ)の準備に追われて、一箱古本市のことはあまりまとめ上げることができなかったようだ。確かに新図書館を作るということ自体とてつもなく大変なことだ。
我々とて夏の繁忙期が終わった直後だったので、正直結構きつい日程だったが、新しい図書館も見てみたかったし、一箱古本市は楽しいということを広めたいし、参加しながら再び味わいたいということもあって、夏季休暇中の少年Rにも応援を要請して、手分けして参加した。
私は、地域活性の仕事を大昔かじっていたこともあって、講演会に行くことにした。先にブログでも触れたしなの鉄道長野電鉄の「軽井沢⇔小布施一日乗り放題フリー切符」を手に入れて出かけたのであった。しなの鉄道長野電鉄も一時間に一本ほどのローカル線なので、信濃追分駅から小布施駅までの鈍行列車の旅は二時間ほどかかった。行きは長野経由で行ったら、屋代から長野間はJRに乗り入れていることになり、長野で乗り換える際に190円徴収されてしまった!
長野電鉄は途中まで地下で、地上に出たら畑や林檎や栗の畑の中を走ってのどかそのもの。
小布施に降り立ち、会場の北斎ホールまで徒歩ですぐ。その裏にお目当ての町としょテラソはそのすぐ裏にあった。続く
 
■町としょテラソ入り口  隣は小学校、校庭では体育の授業中