otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

置いていかれた風

otobokecat2009-10-09

台風一過の晴天です。
昨日8日は一日台風関連に翻弄されていましたが、都会の交通トラブルに比べて、実はここでは台風そのものの被害はあまりなかったのでした。太平洋側の陸地には被害が多かったようですね。お見舞い申し上げます。停電等本当に不便ですね。ニュースではとかく大きな被害のみが取り上げられますが、停電も現代社会では、数時間以上になると本当に不便です。電気に依存した生活であることを思い知らされます。
追分は、前日の夜半から風雨は激しくなり、一晩中よく降りました。天井近くで寝ている私の気分はびしょびしょでした。今になって思えば、もっとも台風らしい状態は夜中の三時頃で、どうやら一番私の記憶のない時間が雨風とも激しかったようです。朝方の五時に目が覚めて、テレビをつけたら台風情報のさなかでした。これからくるなと思って、寝ずに起きていたのですが、ついぞ台風らしきものは、ここには来なかったのです。

朝、番頭の実家の父〔関西〕から、「台風がそっちに行ったぞコール」がありました。日本全体が同じテレビを見ているわけです。父は台風が去った後、現場の信州に情報を聞きにかけてきたのです。確かにテレビの画面では、まさにこれから我々の頭上を通過していくように台風の○が描かれていました。少々身構えながらも、外の様子は至って平穏で、梅雨時の雨と言った感じ。風も高木の上のほうが揺れていると言う状態で、枝や幹が風にもてあそばれたりもせず、低木や草は気持ちばかりそよいでいる程度でした。
何時かなと思いつつ、栞のはんこ押しなどをして「そのとき」を待っていたのですが、ふと時計を見るともう11時。大変!これでは台風のため閉店とも言いがたい状態で、開店開店!と慌てて村へ降りていき、店をばたばた開けたのでした。途中道路には枝や木の葉がたくさん落ちていましたが、大きな枝もなく、ましてや傾いている木などは見当たりませんでした。
雨は小雨、暖簾がいつもよりゆれている程度。春先などもっと風が吹くことがあって、「ふるほん」が読めないくらいです。それに比べればたいしたことない感じでした。それでも外の軒下の正直文庫は室内に引き入れました。
さすがに玄関の引き戸は閉めての営業。この戸が開くのは配達のときばかりで、いたって静かな一日でした。結局開けなくても良かったという状態でしたが、宅急便、速達なども次々届き、当店からも発送があったので、店を閉めて家に帰って寝ているわけにも行かなかったのでした。
このあたりの学校はすべて休校。しなの鉄道も始発から運転を見合わせていたので、「備えあれば憂いなし」といった感じの一日でした。
一夜明けた今日は、浅間山も姿を見せ、空も青く澄んで、秋の斜めな日差しが戻ってきました。ふと見ると木が結構揺れています。昨日よりも音を立てて吹いている感じです。色づいた葉や、どんぐりや栗がこれで容赦なく落とされることでしょう。
台風の置き土産は風だったようです。
 
■ウルシ紅葉第二弾と、色づいてきたダンコウバイ

日ごろめったに電話して来ない少年Rも電話をくれました。二年前の悪夢もありご心配を方々にかけていたのかもしれません。そんなわけで追分は今回は大丈夫でした。特に山荘は周りが林なので、高木が風から守ってくれた気がします。村中線に降りていったら、わずかな差ですが、ここにはもう少し風が吹いていました。
日和11月号届きました。珈琲特集。

ありきたりの「読書の秋」にしないところがにくいですね。紙面では伝えられないはずの「香り」がこの表紙からは香ってきます。テーマを事前に伺っていたので、おそらく他店は珈琲をうまく誘い込んだ本紹介をされることと思い、筆力に乏しい私は別の本を選択しました。
◆『パイプのけむり選集・食』 團伊玖磨 小学館文庫 もう満腹の一冊です。
◆『きのこブック』 伊沢正名 コロナ・ブックス 雨もたっぷり降って、いよいよきのこの季節です。
きのこブック (コロナ・ブックス)

軽井沢新聞の10月9日号も入荷しました。いつも編集員Sさん自ら届けてくださいます。