otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

木瓜つながり

otobokecat2009-11-07

店の裏に、江戸時代からある何の変哲の無い四角い池があり、その傍らに大きな木瓜(ぼけ)の木があります。私はあまりボケのことは詳しくないのですが、この木を見た方は皆さん口をそろえて立派な木瓜だと褒めてくださいます。池がそばにあるので水に困らないせいでしょうか、周りに大きな木がないせいでしょうか、確かに大きく茂っており、春先には赤い花を沢山つけ、鳥が花びらを食べに来ます。秋には実がなり、今年は一段と大きい実をつけました。

河村目呂二展「追分猫日和」開催に際し、ご家族の方のご好意で、保存されていた家族間の葉書;今で言う絵手紙が公開されました。実にこまめに東京の娘さんやお孫さんに宛てて発信され、そこには日々の暮らしのこと、追分の自然が描かれています。必ず絵が添えられており、むしろ絵に文が添えられていると言った方が良いぐらいさまざまな俳画が描かれています。そのスクラップ帖を拝見してると、なんとその中にこの木瓜の実の絵がありました。

「柳屋の屋敷跡にこんなみごとなボケのミの稔る株があって、リンゴのようなのが二三十もついて居た。
これは普通のものと違って大きくて美しい
九月十二日」と鉛筆で書き添えてありました。
消印を見ると「昭和34年9月12日軽井沢」となっていました。河村目呂二は昭和34年9月末に追分で亡くなっているので、まさに最晩年の一枚であったわけです。
没後50年にしてはじめて開かれた作品展が、そのボケの木の前で開催出来たと言うのはなんというご縁でしょう。↑ブロンズの猫の向こうに見えているのが、冬木立のボケです。
これからは「オオボケ」などと呼ぶのは止めようと思います。少なくても樹齢50年以上はたっている巨樹なのですから…。
■今年の木瓜の実とカンゾウの花

「追分猫日和」本日はFM軽井沢にも登場しました。お陰さまで雪の日を除いてまずまずの猫日和が続いて、メロジの猫たちに会いたいと沢山の方にご来場いただきましたが、名残惜しくもいよいよ明日が最終日。どうぞお見逃し無く!
「追分猫日和」最終日につき16:00までとなります。ご注意下さい。