otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

見えないものは

otobokecat2010-05-24

昨日は上原巌先生の森林の効用のお話をブックカフェで伺いました。全国的にまるで雨季のような雨模様の日曜日の朝。その雨の効果で飛び入り参加もあり10名の参加となりました(MAX:15)。経営的?には参加者は多いに越したことは有りませんが、空間的にはちょうどいい人数だったかと思います。(本棚の移動を最低限におさえたいという横着な理由もあります。)
まぁ何時でも静かな追分ですが、雨の日は緑色も深まり、尚いっそう落ち着いた雰囲気となります。上原先生の森のお話を聞くのにはぴったりでした。(←写真:ツリバナの花)
そろそろ席も埋まってトーク開始と思いきや、当の講師の上原先生は鞄からなにやら取り出してきて写真を撮っていました。一刀彫りで作られた帽子を被ったニングルを店の方々に置いて、撮影しておられたのですが、それはあたかもニングルと会話をしているかのように見えました。


二月に出たばかりの著書『ジョン・レノンが愛した森 夏目漱石が癒された森 著名人の森林保養』をもとにお話いただきました。特に軽井沢の自然を愛でたジョン・レノン神谷美恵子堀辰雄を取り上げてのお話で、今はすでにない方々ですが、書き残された文章や取材で集められた話によって生き生きと甦り、とても身近に感じられました。それは幸い今もここには当時の自然環境が辛うじて残っているから実感できることです。
たまたま昨日も書いたことではありますが、自然の力というのはそこはかとなく大きいのだということを、再認識しました。森林保養は老人医療や障害者、精神患者の治療にもおおいに効果を発揮しているとのことです。
上原先生は日頃は言葉少ない静かな方なのですが、「トーク」になると変身されて森のお話が滾々と湧き出てきて、ちょっと不思議な方なのです(失礼)。二回目の今回はニングル同伴で見えたところをみると、多分この空間を気に入ってくださったんだと思いました。この日の参加者のかたも熱心に耳を傾けておられましたし。
上原先生の連れていらしたニングルが、店の中でそこここでたたずんでいる姿をみて、ふと『星の王子さま』のなかに有ったように、大切なものは目に見えないというフレーズが思い浮かびました。ひとりで森や林に入り込んだり、山や空を見るのが好きな人はきっとニングルが見えている人なんだと思ったことでした。
最後に上原先生のブログにこんなことが書いてありましたので引用してお終いにします。

大きなショッピングモールができてから、軽井沢の人の歩く方向が大きく変わってしまいましたが、本来の軽井沢の魅力、軽井沢が軽井沢である所以は、その自然、環境にあります。
これからも清澄な自然での保養、休養を必要とする人々のためのまちであり続けてほしいものです。

上原巌先生有難うございました。
トークにお越しいただいた方々、お足元の悪い中をご来場有難うございました。次回はまだ時期は未定ですが、上原先生は追分散策ができたらいいですねとおっしゃっていますので、是非実現させたく思っています。その節はまたよろしくお願いいたします。

■上原先生の「みんなの森ぶろぐ」→http://blogs.yahoo.co.jp/ueharaiwao
 古本屋を散策するニングルさんに会えます。