otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

台風が捲った頁

エノコログサが涼風に揺れる追分です。


台風に莫大な被害を受けた年もあったので、台風の動きはどうしても気になるのですが、過ぎてみれば、今回の9号は追分にとっては久々のまとまった雨をもたらし、さらりとカレンダーをめくっていった、というところでした。
観測史上初めてといった記録的なことが多々ある台風だったこともあって、思いも寄らない被害を受けた地域の方々には、心よりお見舞いいたします。
上陸した後、アルプスを越えられなかったということだったようで、こちら(長野県側)には来ませんでした。あまり大きくなかったということもあるようですが、熱帯低気圧が暖かい海水に勢力を貰って成長したり、高気圧にコースを惑わされたり、まるでみえない生き物のようです。台風からみた日本列島はどんな風に見えるのでしょうか?
私は月曜日、久々(50日ぶり?)の中央市に出かけてきましたが、荻窪で降りて某所でちらし【秋のイベントカレンダー】の印刷をしてから、中央線で御茶ノ水へ向かい、古書会館で入札。受付のOさんにお願いして10月のめろじ展のポスターを貼らせていただいて、近隣の銀行周り、記帳。
市場の改札を待たずに、番頭の実家のある関西に一泊行ってきました。関西へはこのところ追分から直接車で帰るので、東海道新幹線利用は凄く久しぶり。700系車両では東京⇔新大阪はパソコンの無線ランが使えるのでびっくりでした。電源も取れます。あたりをみるとほとんどのビジネスマンらしき人は、ノートパソコンを開いていました。窓が小さくて飛行機みたいな車両の新幹線ですが、席の前後の幅は長野新幹線より広く、荷物を足元に置いても狭く感じませんでした。考えてみれば博多まで行くわけですから、乗車時間も長く、当然値段も高いわけで、居住性は高く作られているんですね。
義父の入院している病院に直行、正月に会って以来久々に対面しました。おっ!と手を上げてくれました。私もひと夏よくここまで頑張りましたね、とは声に出さずに、鬼嫁は「そろそろ栞の在庫がなくなってきていますよ、お父さん」と言ったのです。父は負けじと「(シャーロックホームズ→)の案内表示板の写真を撮っておいてくれたら、像の写真と合成できるからな」と言ったのです。栞製作人のスピリットはまだ高いとみました!どうかその日が来てくれることを。
義母の車で帰宅したら、ドアを開くなり玄関のまえでは木の上でアオマツムシがそれはそれは喧しく鳴いており、都会の夏の夜の虫の声はこうだったなと思い出しました。それにしてもこんなに風情の無いコオロギもいるんですね。(以前このアオマツムシについて書いたことがありますが、かなり深刻な環境問題なんですよ。)
今後のことなど話しながら二人で夕食を作って食べ、久々にエアコンをつけた中で寝ました。入院もすでに一ヶ月を越えており、義母の体調も心配です。双方の両親4人が元気だったからこそ、古本屋立ち上げ計画もここまでたどり着きましたが、これから先は、家族の問題にひとつ、ひとつ向き合っていかなくてはならない時期にさしかかってきたわけです。
翌火曜日は5時まで病院にいて、しなの鉄道の最終便に乗るべく、阪急電車→在来線→新幹線二種をはしごして軽井沢まで帰ってきました。途中帰宅ラッシュ時を潜り抜けて来ましたが、夜の11時近い信濃追分駅に降り立ったのは高校生と私の二人だけ。エンマコオロギのりりりり・・・という声がひっそりと出迎えてくれました。人けのなさと相まって侘しさが漂っていましたが、追分らしいな。さすがにアオマツムシはここでは生きてゆけないようです。
今回は一泊しかできず、トンボ帰りしてきましたが、結果的に一日ずれたら台風の影響を受けてしまったことになりました。
ずっと時計と睨めっこの慌しい二日間だったので、暑さをあまり感じる暇もなかったのでした。
コオロギといえば、結構児童文学には出てきますが、最近読んだ一冊にも:

天才コオロギ ニューヨークへ

天才コオロギ ニューヨークへ

ガース・ウイリアムスの挿絵が効果的です。装丁にもう一工夫欲しいところです。

■今年は花が少ないアサマフウロ

「本のまち・軽井沢」立ち上げ企画
 10月28日(木)〜11月3日(水・祝)
12時〜17時 会期中無休
目呂二(メロジ)の追分俳画
あけび、秋いろ、浅間山
昨年は河村目呂二の作品から「猫」をテーマにした展示会を開催し、たいへんなご好評をいただきました。今年は「本のまち・軽井沢」立ち上げ記念イベントとの位置付けで、「秋」をテーマに、洒脱な画と句、そして追分の風景や浅間山のスケッチなどの展示会を開催します!園芸セミナーでお馴染みの永楽屋ガーデン岡田英人さんの植栽も会場を飾ります。来るべき冬を目前にして静かに美しく輝く追分の秋を、存分にご堪能ください。
♪場所:追分コロニー「ブックカフェ」 無料