otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

かしましい秋の日々

こんなに爽やかな休日だというのに、追分宿はさほど混雑もせず、あの避暑地とは言いがたい8月に暑さの中をお越しいただいた方々にいまさらながらに申し訳なく思ったりしていました。今が一番良い時です!
いろいろ聞いてみたら、ここ以外は十分混雑していたようで、つまりどうやら静かだったのは追分宿だけらしい・・・〔涙〕。
空気が澄み始めて、浅間山もよく見えるようになってきましたし、雨の心配がまったく無いこともあって、石尊山登山道入り口には車が溢れていましたし、町営テニスコートも賑やかでした。アウトドア日和の日々です。多分ゴルフも。
昨日今日と友人知人が沢山店を訪ねてくれて、ろくに相手もできない夏と違って、今ならお喋りする余裕も(たっぷり)あって、調子に乗っていたら番頭のメルマガに書かれてしまいました〔汗〕が、確かにしゃべってばかりの一日でした。
夕方は久々に女三人で外食し、大いに盛り上がりました。まさしく姦しい夜でした。このところ何かと慌しい日々だったので、誘ってくれたのでした。感謝!懐中電灯をつけて帰宅しました。
かつて追分に夏滞在の文士や大学の先生方は、痛飲した後、夜更けに懐中電灯ぶら下げて山林の中を帰られたそうで、酔っ払って、石に足をとられてくじいたり、用水に落っこちたり、暗闇の草むらに財布を落としたりといったことは茶飯事だったようです。〔私は川には落ちませんでした!)

二日目の今日は、店番に入る前に今期の開館がそろそろ終了する「平岡篤頼文庫」へ出かけてきました。場所は追分の分去れ、シャーロックホームズ像〔←〕の裏手にあります。
 〔写真は後日貼ります。〕
母屋に挨拶してから隣接した文庫へ潜り込み、一人だったので文庫を独占、本棚に囲まれて暫し遊ばせていただきました。ま新しい木材のいい香りがしました。当店もソウですが、古本と木造というのは実にいい組み合わせで、古本臭さが消えてくれます。
夫人にテラスでお茶をご馳走になりながら、ここでまたしてもおしゃべりに花が咲きました。
開館一周年の今年は、夏の間、夫人とボランティアの方三名でお当番を決めて連日開けられたので、結構ご苦労もあったことと思います。ちなみに夫人は現役のお医者様であり、夏の間毎週末追分に来ておられたとの事です。
早稲田文学の方に持っていった本もあるので、ここにあるのが平岡先生の蔵書すべてではないとのことでしたが、本はあまり有りすぎても圧倒されてしまうので、ちょうどいい位の分量ではないでしょうか。生前の蔵書を没後個人でここまで管理・開放できるのは素晴らしい事だと思いました。原書はフランス語なので手が出ませんが、文芸書・全集は個人宅ではなかなかここまで揃っておらず、ここへ来ればこれらの本に会えるわけで、いわば地域の共有の本棚ですね。若い作家の育成に努力されていた平岡先生の志を、夫人がつなげていかれているわけで、なかなかできることではありません。
共有の財産というものの考え方こそ、これから大事になってくるように思います。
軽井沢町では極力家のまわりに塀を作らないようにしていますが、昨今イノシシやクマの被害もでて、また犬を放し飼いにするためか、高い塀や有刺鉄線を張り巡らす人も出てきています。
景観もまた共有の財産だという風に考えられないでしょうか?
さて、明日は連休3日目です。静かな(そして涼しい)追分にどうぞ!

■紅葉したドクダミ            ■初夏のドクダミ