otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

一枚の葉の重さ

otobokecat2010-11-04

ついに最低気温が零下の日もあるようになり、薪ストーブを焚き始めました。
週末や祝日を利用して、別荘を閉めに見える方も多い11月です。単なる片づけや戸締りだけではなく、水抜きをするので、春までは使わないというきっちりとしたけじめがここにあります。最も最近は冬にも対応できる家を建てて、一年中来られる方もいますが、水抜きはしなくてはなりません。(この地の最大の不便なところです。)
今なら、晴天だと紅葉狩りとくっきりとしたアケビ色の浅間山を拝むことができますから、朝晩は放射冷却できりりと冷えて、日中は小春日和というのがいいですね。
夜、車に忘れ物があって家の外に出たら、すでに寒暖計は零度になっていました。その寒さのお陰で☆も一段とくっきり見えます。ふと、林の中で「ぽとり、こそり」と音がするので耳を澄ませてみたら、なんと落葉の音でした。暗いので、葉が舞い落ちて来るのは見えず、地面に落ちた時に出る音だけが耳に届きます。たった一枚の葉がこんな大きな音を出すとはちょっと驚きました。風のない静かな夜でも気温が下がることで、落ちることを決めたフレディ《葉》がいるのでしょう。林道を走る車ももうなく、鳴く虫もいなくなってあたりはまったく無音なので、一枚の葉が落ちる音がこんなにもはっきりと聞こえるのです。多分地面も凍り始めているので、その上に落ちるから余計に大きく聞こえるのでしょう。
落ち葉となった葉は、枝から離れる時はまだ水分があるので、かすかながら重みがありますが、散ったあとに見る見る乾燥して色も失せ、からからになってしまいます。
寒いので、屋外にたたずむことも滅多にありませんが、室内でストーブに当たっているうちに、林はあと一ヶ月の間にどんどん裸になってゆきます。
朝、カーテンを開けるたびに林が日一日とスカスカになっていくのは、夜のうちの落葉が案外多いのでしょう。考えてみれば日没も早いので、一日の半分は暗闇に包まれているわけですからね。
コロニーはその短い日中のさらに5時間だけしか開いていないわけで・・・来店してくださる方にホント感謝、感謝です。

北軽井沢の麦小舎さんの発行しているリトルプレス[Forest & Me]の第4号が久々に発行となりました!
3号が出てから一年半ほど経つので、まだですか?というお客様も多々おられましたので、これは朗報です。作り手のペースで発行されるというのもリトルプレスならではの楽しみですけど。
「ものがたりの生まれるところ」というテーマは、発行者である藤野さんにとっては是非作りたい一冊だったのではないでしょうか。漠然と自然が豊かな近寄りがたい秘境というのではなくて、浅間山麓は、自然とともに人やモノにも出会うことのできる場所だからこそ、物語も生まれてくるということなんだと思います。特に今回は北軽井沢にゆかりの深い岸田衿子さんが巻頭で、藤野麻子さんの筆を持つ手にも一段と心が込められているような、冊子を作る喜びのようなものを感じることができます。
もちろん!当店でも扱っております。レジカウンター脇にて。(525円)
実は私の一文も載せていただいてはおりますが、まぁそれは・・・ごにょごにょ。恥ずかしながら《汗》。機会を与えていただいたことに感謝しています。