otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

コタツの周りに本を積む

麦小舎さんによると北側はとっくに白い浅間山ですが、南山麓で雪化粧がしっかりと見られたのは今朝が初めてです。まだまだちょび髭のような冠雪ですが。いよいよ白い季節の始まりです。
カントリープレス社のフリーペーパー「日和」(月刊基本)の日和文庫の欄に二冊づつ本を紹介しているのですが、毎回本を選定するために少なくても10冊は読み、たかだか350字のごく短い紹介ながら、結構唸って書いています。選定そのものが難産だったり、選定のタイミングがすっと合うものが見つかっても、作文がうまくまとまらなかったり・・・と様々。今回は先月は「日和」お休みだったため油断していたらしく、二ヶ月もあったと言うのに本が決まらず、あれこれ彷徨った挙句、結局最初に考えていた二冊に帰って来たと思ったら、推薦文は何とか書けたものの、小見出しの15文字が作れなくてハラハラしましたが、先ほど送ることができました。ほっ。
担当してもうだいぶになるけれど、まったく何時になっても慣れません。
実は今回は東京へ出たときに書店員の知り合いに本選定の応援を頼んだのです。なにしろ本屋の無い田舎に住んでいると、新しい本の面(ツラ)になかなか出会うチャンスが無くて、どうも選ぶ本の代わり映えがしないため、この際新たな出会いを求めてみました。今回は選んでもらった中の一冊を使ったのですが、私の推薦文がいいかどうかは別として、この本を紹介できてよかったと思いました。
この人の文章力に脱帽したのも、小文が書きにくかった理由のひとつかも・・・。面白いことにこの本の元はWEBに掲載されていた個人的日記だと言うのです。でもこうやって「本」になることで一冊の世界がちゃんと構築されている。「本」と言う体裁になることでその文章のうまさが際立っていると思いました。10月16日の長田弘さんのトークを聞いてから、本の体裁にとても興味を持つようになったと思います。
タツや枕の周りに本を積み、読みふけることで、じたばたしながらも、終わったあとにもなんとかやったぜ!という気持ちになるけれど、電子本ではこうは行きません。スイッチを切ったらもうお終いですからね。やはり「本」の存在感も読書のうちという気がします。

「本」という形をうまく利用している絵本に岳陽舎でだしている「はじめての発見シリーズ」があります。16x18cmの小型の絵本ですが、数枚おきに入っている透明のセルに書かれた頁が効果的に使われていて、ページを捲るとウサギの地面の下の巣穴の様子や、鳥の巣箱の中がこっそりのぞける仕組みになっています。捲る楽しさがあります。このシリーズは40種もあります。当店でも『きのこの本』『とりの本』は特に人気が有り、入れてもすぐに売れていきます。不思議と大人に好まれます。
地球と宇宙の本 (はじめての発見)お天気の本 (はじめての発見)てんとうむしの本 (はじめての発見)
『ことり』にも半透明のトレーシングペーパーがうまく使われています。
ことり ことり 新宮晋 文化出版局 2007/04