otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

小さき声

テレビに映し出される光景は、どれも紛れも無い真実であり、目を瞑ることは許されないものの、次第に映像の限界というものを感じています。どんなに凄い光景を見ても、視聴者には画面の外は見えないし、視覚的、聴覚的なことはわかっても、たとえば臭いについてはまったくわからないので、つまり非常に偏った情報と向き合っている、しかも繰り返し見せられているということで、気をつけないと精神に障害を起こすのではないかと言う懸念があります。
さらに明日より計画的輪番停電ということで、東京に先ほど帰っていった少年Rは杉並区に一人で住んでいるのですが、なんと一日二回の停電の予定で、しかも二回目は夜の6:20-10:00ということです。完全に日没後、夕食時も含まれる時間であり、就職活動中の少年Rにとって実に過酷な停電であります。エントリーシートを毎日のように書いているわけですが、ろうそくの火で書かなくてはなりません。都内(停電にならない)に残ってみると言っていました。
今の就職活動はすべてネットの時代です。説明会の時間を見つけるのも、応募するのも、先方から連絡が入るのも携帯電話ということで、電気に完全に頼った生活ですので、少年Rは今は停電直前で充電に躍起になっています。自家発電機など大学下宿生が持っているはずもありません。
郵便も日にちがかかるので、エントリーシートを送るにも時間がかかる様になってきました。社会で時間厳守は勿論当たり前ですが、こういう時期ならば、大幅に緩和すべきです。
実家が東北の学生などは、ふるさと、親が心配で気が気ではないはずですし、最初に書いたようにテレビで繰り返し惨状をみせられて、何も感じずにひたすら自らの生活に邁進する若者って、はたしてどんな無神経な奴なんだか!

被災者以外で協力できることとして停電に協力するということは今もう必須です。そのかわり東電の区域である東京で、この時期に通常通り就職活動を強いなくてもいいのではないか、むしろ、各自できることをやってくださいといえる企業こそ、いい会社なのでは?と思います。
ちょうど春休みなのだから、下宿して一人暮らしをしている学生は実家に戻ることで、様々な節約になります。実家で家事や商売の手伝いをしてもらったりすることで、家族の絆も深まります。若い力に被災地ボランティアをやってもらえれば勿論助かります。被災地では水や食料などの運搬が重労働で、精神的体力的に参ってしまうと担当者が嘆いていました。

親として彼らが不憫で仕方がありません。こういうときこそ、大きな会社が率先して、「社会の力」を若者に示してやって欲しいと思います。就職活動などはこういう緊急事態なのだったら、4年生のみにして、三年生は収まるまで一斉中止と言うのはどうなんでしょう。今何が必要なのか?たとえば、地域貢献、ご近所の連携などについて考えさせるのもいい機会だと思います。

それから今後復興に向けておそらく長い道のりとなるとおもいます。被災者に何ができるかを考える上で、現場を知らない自己満足の援助は、時として醜いことになります。停電に協力するのもいいけれど、もう少し限度を考えてもらいたい。
これから春夏に向けての各地のイベントも、中止するばかりではなく、開催をしてそのかわりチャリティーとして、主催者も参加者も募金ができるといいと思います。単に義援金を募集するよりも効果的です。こういうときこそ、知恵を絞っていきたいと思います。