otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

樅の木としだれ桜

otobokecat2012-06-21

やはり梅雨時期の宿命か、この日も雨でした。のんびりと起きて、この日も8:20に食堂へ。林檎ジュースで始まり、土地の食材をうまく使った美味しい朝ごはんでした。前日から気になっていたのですが、この旅では焼き鮭が何処でもとても美味しいのです。塩加減と良い、油の乗り具合といい、皮まで残さず食べました。小岩井のヨーグルトも付いていました。
チェックアウトをした後、荷物を預かってもらい、傘まで拝借して(我々は折りたたみの傘だったので)武家屋敷散策へ。町人町から武士の町へ。まあこんなに違うのかと言う感じでした。黒塀が何処までも続き、そこにしなだれかかっているのはかの有名な枝垂桜です。樹皮がまったくソメイヨシノや山桜と違うのが意外でした。よく見るとしだれ桜だらけです。シーズンはさぞかし豪華な光景だろうし、また見物の観光客の数も凄まじいだろうなと。それに比べて今は人影は少なく静かで、雨に濡れて青々と茂る桜と板塀の黒がなかなか粋な光景でした。
武家屋敷のひとつに入って、入館料を払って座敷に上がって説明を聞きました。欄間の透かし彫りの亀が灯りで部屋の壁に写り、亀だらけになるといった話や、畳の敷き方がいろいろある話、庭にこぞって樅の木を植えた話。樹齢300年の立派な樅の木が、まっすぐ庭の片隅で天に向かって伸びていました。出世の願いがこめられているそうです。枝垂桜も古いものは樹齢200年。ずっとこの町の人間の栄枯盛衰を見てきたんだなと・・・そしてその木を今、私が見あげているんだなと。
この冬の雪でかやぶき屋根が破損して、大枚投じて葺きなおしていると言う家もある一方で、屋敷跡としてもはや広大な区画のみが残る所もありました。
この日の工芸関係見学は樺細工でしたが、こちらはしだれ桜ではなく、山桜を皮を使っていました。見慣れた横に縞の入った桜の樹皮を薄く剥いで使えれており、赤みがかった皮が、使い込むと照り始めると言うことです。店に置こうと、ノースモーキングサインがはめ込まれた樺細工を購入したら、おかみさんがご自身でで考案したもので、買っ貰って嬉しいといってもらいました。
棗の仕上がりの限りなく、スムーズで美しい様子に、工芸職人の技の凄さを垣間見ました。
■町並みに配慮した自動販売機