otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

油小僧にトンネルの数をきく

otobokecat2012-11-05

昨夕「文化磁場油や2012」は終了しました。今年の営業は7月21日に開いてから3か月半、107日。100日というとイベントとしては長〜いですが、終わってみれば本当にあっという間でした。7月20日の午前まで工事を入れて、なんとかオープンに漕ぎつけたのが、昨日のことのようです。
今日は月曜日でしたが、市場へ行かず追分内でいろいろ雑務をしていました。
片づけものをしに油やへ入ったら、ちょうど清掃もテナントもアトリエの人も誰もいなくて、まさしくしーんと静まり返っていました。館内に一人は慣れっこですが、寒く薄暗い館内を歩いていると、一年前の今頃のことを思い出しました。あの時のにおいや湿った寒さや、言いようのない寂しさ、楽観的!とかえらそうに言いつつも、やっぱりすごく不安だったことを。
無人の館内は同じように薄暗く寒くても、今ならスイッチを入れればすべての電燈に明かりが灯ることを知っているので、もう心細くはないのです。結構頑張ったよね、とそのあたりにいるだろう油小僧につぶやいてみました。
思えばありとあらゆる工事を入れました。床下工事から、屋根の瓦の葺き替えまで。壊れたお手洗いを潰して新たに作り直し、畳も替え、コンセント一つ一つまで復旧させました。思えば当初は宿部門は復活させないとずっと思っていたのですから、無謀ですよね。
いまだに屋根裏に蝙蝠が小屋裏に住んでいるみたいだけれど、インターネットの無線ランだって館内を飛んでいますし、ずいぶん進化しました。
予算の関係でマンパワーに頼ったことも多々ありました。テナントに入ってもらった各部屋は、テナント自らペンキ塗りしたり、絨毯はったりしたところもあります。
7月21日を前に電球という電球は油や夏番頭:西川さんがチェックして脚立に上って、交換してくださいました。丹念に電気のカバーを外して、電球の色も揃えて。凄い数ですよ。どのスイッチを点けたらどこがつくかということを習得するのに、だいぶ時間がかかりました。
これからかける本館のカーテンは、荒川さんがすべてボランティアで夏の間に洗濯してくださったもの。何回もすすいでようやくきれいになったのです。皆さんの力なくては到底ここにたどり着きませんでした。本当に感謝、感謝です。
文化磁場に足を踏み入れてくださったた方にも感謝です。人がたくさん来ていただいた数だけ、建物が呼吸できて、空間が蘇ったと思います。空気がにおいがすっかり変わったと思います。

昨日おとといは、おやつの時間にぜんざいの振る舞いをやりました。初めからずっと玄関ホールに居座っていた「暖助」が、その存在感を発揮したのはおしまいの3週間ほどでしたが、やはり燃える炎の力は大したもので、ここに火が入るとすぐに周りに人が集まりました。キノコ祭りのあるはずだった14日には、キノコ汁を振る舞い、いつもの大鍋にはかなわないけれど、こちらも好評でした。でもまだまだ10月半ばではまだ寒さは序の口でした。
11月に入り冠雪もして、落葉も始まり、玄関ドアを開けて営業ができなくなった頃に、ストーブとぜんざいとくれば、怖いものなし!用意した鍋は二日とも空っぽになりました。まさしくストーブとぜんざいは「磁場のなかの磁場」でした。
まず許可が取りにくいので、とうてい実現はできないでしょうが、ストーブご飯やができたら、此処だと5月の連休くらいまで半年間商売ができますね。オフシーズン対策?

ここから半年冬眠に入るとなるとちょっと感慨深いですが。3か月開けて半年休むわけですから(汗)。しかし、ひとまずこの100日のことを振り返って、次の作戦に備える時間もまた必要です。ONとOFFのはっきりした場所ならではできることです。
碓氷峠のトンネルのごとく、一つ目のトンネルを抜けて、ちらりとよい風景が見えて、また次のトンネルに入ったところ?もたもたしていると、準備が十分でないうちにトンネルを抜けてしまいます。来年こそが本当のオープンといっていいでしょう。ゴールデンウイークから半年間180日の営業です。

さて、最後のトンネルを抜けて光の中へ出ていくのに、いくつトンネルをくぐらなくてはいけないでしょうか?