otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

ついに来ました

年末年始不在だったため、事実上本日の降雪が今年初めのまとまった雪でした。数日前から予告されていた雪ですが、それでもここ数日久々に気温が上がって、昨日は目を疑う8℃だったりしたので、ちょっと銀世界に入る覚悟が不足していたかも。
昨晩からじわじわと雪の気配が忍び寄り、今朝カーテンを開けたら、昨日と打って変わって白い世界がそこに広がっていました。しかもまだ降り続いていて、どこもかしこもそらも、地面も、木の上も屋根も真っ白でした。一見霧のようですが、細かい雪が絶え間なく落ちてくるので、空と地面の間もまた白いのでした。銀世界ではなく白い世界です。太陽が厚い雲のかなたで、今日はマットな白い日でした。
恥ずかしいことに私はいまだに寒中見舞いを書いており、休日は朝9:10のみ収集ということで、それを逃しては大変と8:30に玄関を出て、雪かきをしつつ車に乗り込み、駅近くのポストまでひとっ走り。道路の上の積雪はその時点でまだ10cmに満たない感じでした。でもひさびさの雪の降る中の運転で少々緊張しました。視界が結構悪いのです。(こういう時のために、信州では色の強い車に乗るのが安全です。)わが車の水色では不十分で、フォグライトもつけて走りました。
帰り道、店の前を通ったら、あらま店のわきの笹が雪の重みで道に倒れ掛かって、一部道をふさいでいました。急遽車を降りて、雪かきと笹を10本ほど切りました。店の玄関の雪もかいて帰宅。
二時間後、開店前に店へ再び行ったら、さらに笹が数本がしなっているし、雪かきしたところはすでに白くなっていました。
予想をしたとおり、開店休業の一日となり、最低限の雪を掻いて、ストーブを焚いて本の整理に没頭しました。買い取りのお客様が高崎からあったのですが、碓氷バイパスで雪に悩まされている大型車がいて渋滞していたとのこと。一方、御代田からの友人は、サンラインが事故車で渋滞していて、来店を断念すると電話がありました。
とんだ成人の日だったようですが、「晴れ着に雪」という図柄はわりとみるように思います。一月半ばは雪の当たり時?でしょうか。本日は内陸が雪という予報を聞いていましたが、東京も降ったようでさぞかし混乱したことでしょう。連休でなかったら、東京市場へ行っていたはずの月曜日。今回ばかりは助かりました。
結局終日雪が降り、帰宅時には止めておいた車が綿帽子をすっぽりとかぶっていました。
まだ今シーズン初めてのまとまった雪であり、浮かれ気分で雪かきをしましたが、さてこの冬はあと何回くらい雪を掻くことになるんでしょうか?調子に乗ってだいぶ雪と戯れてしまい、あしたはきっと筋肉痛にちがいない。

堀辰雄記念館では「堀辰雄と雪」という展示を12月末から行っています。俣野館長曰く堀辰雄は雪が嫌いでなかったとのこと。多恵子さんの随筆にもそのことは度々触れられています。
ポスターに使われているベレー帽をかぶった堀辰雄が雪の分去れに立つ写真は、まるで本日撮ったかのよう…。確かに雪景色には普遍性があるかもしれません。雪による浄化は堀文学の透明性に通じるところがあります。『雉子日記』や野溝七生子の『暖炉』など、雪が主役の文章を今宵は味わいたい気分です。

雉子日記

雉子日記

暖炉―野溝七生子短篇全集

暖炉―野溝七生子短篇全集

ちょうどいいタイミング!明日堀記念館に行ってみようかしら。