otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

分解と解放

本業の「本業」に戻り、ほぼ一か月。まだ冬眠するには程遠く、本の仕事の合間に喪中葉書を書き、油や館内の片づけをし、とっ散らかった自宅の片づけもたまに少々しながら、ふと気が付くとカレンダーは最後の一枚です!まだまだ先送りしているものばかり!まずい。
すでに来年の文化磁場ための会議(:番頭はこれをストーブ・リーグと称しますが)も3回やりました。しかし半年間、関係者を磁場に拘束してしまったわけで、ここからの半年は各自稼業の方をやらなくてはなりません。会議はできるだけコンパクトにしているので、ちょっと不完全燃焼。「人」「金」「時間」が足りなーい!!とぼやく日々です。
目を窓外に向けると、もう林はすっかり明るくなって、浅間山もほぼ毎日拝むことができます。仕事の山に埋もれつつも、青く澄んだ空を仰ぎ見て、少し気持ちが晴れます。山は時々山頂のふちが白くなりはしても、すぐに消えて、南麓はまだ白くはありません。タイヤだけは履き替えましたが、里の雪もまだです。雪かき、氷剥がしという仕事が始まるまで、まだ地面がドライなのが助かります。
閉店時ともなるとあたりはとっぷり暮れて、星が空中に瞬きます。月も冴え冴えと月光を降らせて、春の柔らかさとうごめき、夏の暑さや生命、秋の熟しと湿り気の記憶が、日一日と地上から分解していくようです。解き放たれているように感じます。分子になるという感じ。

今年は初夏よりブログの筆が全く進まず、拙文を読んでいただいていた方にはご心配をかけてしまいました。
申し訳ありませんが、一言でいうなら書く気力がどうもないのです。画面の向こうががらんとしてしまって。小文でも、ものを書くという作業は、気力のありようと大いに関連しているのだと実感。ど素人なのでどうかご勘弁を。

そんな最中、店番中に少年が探しているという絵本のお問い合わせを受け、運よく探し当てて、手に入れて読んでみましたら、これがなかなかいい話で、機会を与えてくれた少年に感謝。
学校の図書館から古い本ばかりを借りてくるという少年。手に入れたくても、すでに市中では簡単に出回っていない本で、入手に苦労しているとお母さん。今回の本は、タイトルを変えて別の出版社から出ていました。旧版はプレミアムがついて高くなっていて、入手をためらわれ見比べていませんが、おそらく同じ話ではないかと。本人に確認して、無事に手元に届けたら、タイトルを公表しますが、今はまだ暫しお待ちを。
こういう出会いに立ち会うことこそが、本屋業の醍醐味です。一冊の絵本が、こうやって私を「書く」気にさせてくれたのです。本はやはり凄いな。

居残ったチビ太はもはや「チビ」ではなく、立派な雄猫に。彼だけが夏中ベランダに居ついていましたが、秋風が吹くころに、クロキチママが出戻り、そして木枯らしが吹く頃に、新入りがもう一匹。目がパッチリの黒いチビ猫。どうみてもクロキチ母さんの子です。ちびくろと呼んでいます。現在外猫3匹。猫エンゲル係数がアップした今日この頃です。