otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

浅間むらさき


この夏初めてといっていい山姿くっきりに、秋の訪れを感じました。空が高く、雲がちぎれてまさしく処暑です。
折から天皇陛下が見える頃でしたので、滞在場所の大日向からは一段と大きく綺麗な山が見えて良かったと思ったのでしたが…。
自然はときに美しく、時に恐ろしい。
そもそもこうやって自宅の裏手から浅間山を拝めるようになったのも、物凄い台風の猛威の結果なのですから。7年前だったか、一晩のうちにいったい何千本の木がなぎ倒されたことか。あの時は人的被害は一件だったのですが、それでもあたりの惨状が回復するまで、丸一年以上がかかり、悲惨な光景を見続けていることが、いかに人の内面をいたぶるかを思い知らされました。日がたつにつれ、根こそぎ倒れる大木が単なる樹ではなく、まるで生き物の死体のように見えて、重く暗い気分にどんどん落ちていきました。人的被害がごくわずかでもそうなのです。
目に入ってくる情報が心身に与える影響は、予想以上に大きい。経験の少ない子供は尚のことです。被災地の住人の方の心のケアはとても重要です。

せめて、雨が上がって、青い空が被災地の頭上に広がりますように。