otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

楽しむということ

北米のアメリカンフットボールの頂上決戦である第49回スーパーボウルが行われました。フットボールというのはあまり日本ではなじみのないスポーツですが、アメリカでは夏の野球に並んで、冬の人気のスポーツです。
在米中はよくテレビで見ていたのです(放映されているので)が、最近はご無沙汰していました。たまたま今朝放映されるということを知り、東京へ行かない月曜の朝でもあり、どれどれと思い立って観てみたのです。

画面からではありますが、全米のこの大会にかける思いが伝わってきて懐かしく、見入ってしまいました。アメリカの場合、日本以上にスポーツは地域びいきが激しいわけですが、アメフトはリーグも二つあり、全米のトップを決める対決ともなれば、ほとんどのチームはすでに敗退しているわけですが、ここまで来ると、このどちらかが勝つかとそれぞれ予想して、にわかに贔屓して、あるいはそのお祭りムードそのものを楽しむといった感じです。
北米のかなりの場所が厳寒の時期に、テレビの前が特等席で一年に一回のお祭りに参加するというエンターテーメント。試合だけでなくハーフタイムショーや、会場外のイベントなど、フットボールの試合が国民的な娯楽になっているのです。

今年はシアトル・シーホークスVSニューイングランド・ペイトリオッツでした。(アメリカのスポーツのチーム名は地域性がはっきり出ていて面白いです。ちなみに私のいたピッツバーグはかつての鉄の街でしたから、「スティーラーズ」でしたよ。)
前半、シーホークスが意外な作戦をしかけリードしていました。だしぬいた心理作戦でもって頭脳プレーにたけているシアトルのクォーターバック(QB)をゆさぶり、だんだんイライラさせてミスも誘うというのは、実に面白かったです。

ハーフタイムのショーは、若い人気女性歌手が中心となって、大がかりな舞台構成、サプライズゲストも交えての楽しいショーでした。全くこの歌手を知らない私でも、楽しめる内容でした。今はやりのプロジェクションマッピングも効果的に使われて、グランドが一気に劇場に早変わりしました。最後にはアメリカ人の大好きな花火も上がって、大盛り上がりでした。

スーパーボウルは、アメリカではコマーシャル界にとっても一大イベントで、経済的にも大きなイベントです。

後半戦に入って、そろそろ発送の仕事に出るため、テレビを離れましたが、これはもうシーホークスの勝利だろうと思いこんでいました。。
それが、あとからペイトリオッツシアトル・シーホークスに28対24で逆転勝利したと聞いてびっくり。
4TDパスを決めてチームの勝利に貢献し、3度目のMVPに輝いたクォーターバック(QB)トム・ブレイディは、歩くコンピューターと言われるほどの緻密な作戦でチームを引っ張り、終了間際に逆転してシーホークスの連覇を阻止したのでした。

逆転勝利というのもまた、観戦していた人にとっては試合としては非常に盛り上がり、頂上決戦にふさわしい内容だったというわけです。もちろん負けた方はがっくりでしょうが、逆転勝利はこれほど見ている人には面白いことはないですね。
それにしても、筋書きのないドラマであるスポーツの試合の醍醐味の瞬間を見逃すとは!迂闊でした。

やり場のない憤りを感じることの多い昨今。たまにはこういった娯楽が前向きになるには必要です。