天と地と
久しぶりに白いものが落ち葉のうえにうっすら積もりました。
この時期らしいクリスプな気温に戻りました。
世間はクリスマスイヴということで、賑わっているこの時期、追分は冬至前後のこの時期、もっとも殺伐とした季節となります。
そんな淡白なこの時期に、ヤマネコベルが旅立っていきました。
魂は天に、身は地に。
8歳の少年Rとともに育ち、みるみる彼を追い越し、いつしか我々すらも越えて、猫の19歳は仙人のような存在となって、元来たところに戻っていきました。
思えば彼女はペットでもなく、家族でもなく、同居人という存在だったようです。
追分出身の彼女ですが、都会生活もこなし、壮年から我々を山に導いたと考えると、我が家においては引率人だったという表現が当たっているかも。
季節外れの温かい日が続いた中での最期でしたので、見事としかいいようがなく、年の瀬までまだ日があり、私はもう師走の雑事を放棄する口実を失いました。
もうすぐ雪に覆われる林のなかで、木々とともにじっくりと春を待って、芽吹くころには、また次の世界に歩んでいこうと思います。