otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

月の見えない夜に

今年も残りわずかとなり、俄かに主婦業に勤しむ日々です。

ベルの気配を消し去ったせいか、なんだか家が少し広くなったような気がします。体は小さくても一人前だったようです。買い物に行っても、いまだに猫缶や猫砂の棚の前で足が止まって、「いやもういいわけだ」と独り言を言って立ち去ったり。

今年も青年R夫婦が大晦日に来て、年越しを一緒にしてくれるとあって、日頃忘れていた主婦のプライド?に火がついた一週間です。
晦日のしかも夕方に関西に帰省していた頃の義母の苦心を、今さらながら思いながらも、自分流にあれこれと用意をする楽しみも感じています。
それにしてもこのいい加減な準備の仕方を見たら、さぞかし義母は嘆くに違いないですが(汗)。

買い忘れたものを閉店間際のスーパーマーケットに求めに行き、暗い夜道を車を走らせていたら、小雪が舞いました。
アスファルトの上にうっすらと積もり、まえを走った車の轍が付いています。こういう薄い雪は嫌いではありません。
楽しめる雪です。
車で帰省している人たちも、おそらくちょっと心躍っているのでは?
なぜか、降雪はフロントグラスに突っ込んできます。

今日は新月、月の見えない晩のはず。
月光の代わりに小雪が舞い降り、枯葉の上にお供えのようにちょっと積もりましたが、夜半には止みました。

きんとんを煮詰めたり、簡単な御節をいくつか準備しながら、すでに私の頭の中ではひとつ、またひとつ、除夜の鐘が響いています。
息子たちに「お帰り」とドアを開けてやる事が出来る幸いをかみしめながら。

『大晦日のローストビーフ』という秋山ちえこさんのエッセイ集がありましたね。

月の見えない夜は更けていきます。