薄墨のけむり
ぬかるんだ昨日でしたが、予報通り一転して今朝はだいぶ冷えたようです。
軽井沢方面はうっすら雪も積もったとか。追分は地面にぱらぱらと雪のかけらがまき散らされたくらいでしたが。
浅間山はまた白くなっていましたが、みるみるうちにその白が薄れていくところもあり、あの山は最近?本当に雪の付きがよくありません。暖かいのか、微動があるのか?火口付近の急斜面はすぐに白ではなくなります。
ここ数日ちょっと噴煙が控えめだった浅間山ですが、今日は薄いグレーの噴煙が上がっているように見えました。
浅間のバックは真っ白な空だったのですが、そこにグレーの噴煙が見えたのです。
いつもは真っ青の背景なので、噴煙が白く見えるのか、つまりいつもグレーなのか、今日はいつもと違いグレーなのか、そのあたりのことはわかりません…。噴煙がでても、でなくても、なんだか気にかかる日々です。
寿美や工芸店の火事現場の整理作業が始まり、二階建ての工芸店の焼け焦げた骨組みがなくなりました。今日は母屋の整理が始まっています。
自宅から店に出勤する際、必ず前を通るので、その焼け落ちた痛ましい姿を見るにつけ、心が痛んでいました。
ゆきこおばさんには一度もお目にかかっていないけれど、ご高齢のおばさんには絶対見せたくない光景ですね。
現場がさらされているのは関係者の方々にもお気の毒な事で、厳寒期のうちに工事することは大変ですが、できれば人出の少ない今のうちにそうすべきだと思います。今が一番ひっそりとしている追分です。今の時期にまとめて休む飲食店もあります。
簡単ではないでしょうが、春の芽吹きとともに、消し去りたい記憶です。
今週一度東京へ日帰りで出かける用があり、電車に乗っている時間が長いので、一冊文庫本をもっていきました。
今回のお供は『吉野太夫』後藤明生(中公文庫)。ご存知の方は少ないと思いますが、後藤氏の『笑い坂』とともに追分本の一冊です。追分宿だった頃の飯盛り女墓を探し歩くという話です。
ずいぶん久しぶりに読んだのですが、今回は一段とその語り口に面白さを感じました。
この本は追分を知る人には、そうでない人とは違う味わいがあるのではないかと思います。
いたかどうかわからない人を探すというつかみどころのない話なのですが、昔の面影さえろくにないこの地には、むしろこのような話が似合うような気がします。
- 作者: 後藤明生
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1983/10
- メディア: 文庫
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児童文学作家の佐藤さとるさんも鬼籍に入られました。
店にいらしたお客様に佐藤さとるの本はないですかと聞かれて、二階の倉庫からおろしてきました。懐かしいコロボックルシリーズです。
だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1)
- 作者: 佐藤さとる,村上勉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1980/11/10
- メディア: 文庫
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