土の上を歩く
私事で恐縮ながら、ホームで生活している母が外出許可をもらって、二泊だけ山へやってきた。
本人は10年ぶりと言っていたが、実際は2012年以来であるらしく、つまり5年ぶりである。
やってきたのは梅雨とは思えないくらい雨のない数日間のことで、追分としては少々暑かったけれど、杖を突きつつゆっくりとしか歩けない母にとっては、傘の心配がなかったのは幸いだった。
開館した文化磁場油やを見ること。ごんざさんで昼ご飯を食べること。墓参りをすること。山荘の一階の自分の部屋で休むことなど、したいことをいくつもこなした。
車窓にみたのが栗の花だったこと、群生するドクダミ、そして、久々に土や草の上をあるいて、感慨にふけっていた。草の上を歩くことは、いまやなかなかできないこと。
転ぶことだけは何としてもさせてはいけない。小石に毛躓いたりしたら大変なので、3日間ひやひやだったが、医者に駆け込むことは何一つ起きなかった。
帰った翌朝、皮肉なことに久々に浅間山がくっきりと姿を見せた。
浅間山の姿を見る事だけはかなわなかった。
また来られるといい。
母にの枕元に置いた本。気に入ったらしく、持って帰った。
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