otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

雨粒の行方

自宅の前は国有林です。ココから浅間までは今のところ一軒の家も人工物も存在しないはずなのですが、現在、浅間山にカメラを向けると、工事の資材置き場がどーんと写ってしまいます。期限付きで貸し出しているのです。
今回は事前のご挨拶に誰も見えず、何の工事の飯場かがわかりません。
長い大きな水道管のような土管、砂利の山などがありますから、水道施設の工事のための様。
どうやら近くに大規模に造成されているところの治水工事に関係するようです。

千ヶ滝や、もう少し北の白糸の滝では地下水が表面に出てきていますが、このあたりは川もあまりない高原で、治水と言ってもあまりピンときませんが、泉が湧くくらいですから、目に見えないものの、地下の水脈は沢山通っているようです。これだけの自然林が形成されているわけで、水は木によって吸い上げられていたわけです。

例えば造成して)木を伐り整地し、そこに大きな施設を作り、大きなアスファルトで固めた駐車場をつくると、地表の状態は大きく変わります。地下を流れていた水脈が行き所を失い、コース変更をしたりするらしい。工事で掘った穴から突然湧き出したり。

実は本屋の建物を造った時、建物の地下の土壌検査はやって、水分量も調査して水はないと判断して建てられました。
本屋の北に池があるにもかかわらず、水は出なかったのです。
ところが池の西側5mに浄化槽を埋める掘削工事をしたところ、池の水が全部その穴から抜けてしまったということです。つまり水脈は建物の北側を西に向かってはしっていたというわけです。浄化槽を埋め込み、浄化槽を満水にして沈めてなんとか水の噴出を防ぎ、ようやく埋め込み、自然放水もできないので、ポンプで強制排水させています。

1000m林道の北側の大規模造成は、こういうことが多数発生する可能性があるわけで、おそらくこのような大規模な治水をする可能性があるのでしょう。と、これはあくまで推測ですが。

都会と違ってここのような山林は、何でもできそうに見えて、大きく人の手を加えると暴れだす危険があります。地表の目に見える部分だけではないということをよくよく考えていただきたいと思います。
安易に押さえつけるのは危険だということも。

都会の地下の治水用の大きな神殿のようなタンクをテレビで見たことがあります。なんであのような大きなタンクが必要なのか。

昨日じゃぼじゃぼと降っていた季節外れの大雨の雨粒は今は何処にいるのでしょうか?
空から降る雨は、海へと一直線に向かわせるだけでなく、また天へ戻してやらねば。

雪の少ない年はそれはそれで気にかかります。

Coyote no.63 特集 串田孫一のABC

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