otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

めぐり合い

otobokecat2006-09-11

O村古本屋日誌(秋の入り口)

亭主は川越の買取の荷造りに立ち寄って、終わり次第追分に来ることになり、私は新幹線で先に出かけた。しなの鉄道が上手く接続せず、ちょうど関西から来ていた両親に迎えに来てもらい大助かり。雲にパックされ、ムシムシした東京から、軽井沢駅に降り立ったら、あまりの爽やかな快晴にびっくり。

HPの予告には開店は昼頃からとしていたが、店の外に早くも人の気配有り、予定より早めにオープンすることにする。空気が澄んでいるせいもあって、外の陳列分が陽にあたりすぎ!なのが気になった。

お昼を食べる暇もないほど、買い物客は多くて、忙しかった。なんとまだ開店して一ヶ月弱だが、有難いことにもう二度目の方もいらして、「棚が変りましたね」と言われてちょっとびっくりする。事実、棚は日々動かしている。

また、たくさん購入いただき、重いので東京へ送ってくださいと言う方もいらした。追分では箱・梱包財等の準備もまだなく、東京に戻ってから着払いという旨ご了承を得てお預かりする。「重い」のが本の最大の弱点である。お土産にはむかない。

生前の室生朝子氏と交流のあった方が、室生朝子氏の本を捜していて、釣の本とここ出会えて、とても喜んでいらしたりすると、めぐり合いに立ち会えた嬉しさがある。室生朝子氏の本といえば、やはり父犀星の話や、軽井沢がらみが多いが、釣りの本は珍しいなと思い、釣本のところで面出しにしていた。けれど一向に目に留まらずに今まで売れず、引っ込めたところだったのだった。

土曜日の方がお客さんは多いような傾向があるが、日曜は特に出だしが悪い。でも人の少ないときは、それなりに手仕事もはかどるし、お客さんとの会話が弾むゆとりができる。追分宿のご近所さんに、ここでの商売の極意?を伺うこともできたりする。ポイントは「極寒」の冬をどう乗り切るかだという気がしてきた。

建築をお願いしたU工務店のMさんが仕事がてらみえ、終わった後の本屋にいる時間を楽しみにしてくれていると言う。水道工事さん、カーテンやさんも、設計士さんまでもが仕事の後に本棚を覗いていってくださる。

本屋は、棚を見る人や買う人がいてこそ成長する様に思う。ただ物を売る場所と言うのとはちょっと違う。

魚屋や花屋のような生ものではないにしても、停滞させてはいけない。
活きのいい本屋?せめて、風の通る場所でありたい。