『雪の上の足跡』
私の鞄の中に持ち歩いている文庫本はそのときによって様々ですが、その本が文庫本の『大和路・信濃路』(堀辰雄)である確率はかなり高いです、特に冬は。
『雉子日記』『木の十字架』が読みたいからですが、講談社文芸文庫にもこの二編は収められているものの、『雪の上の足跡』が入っていないので、200頁に満たないこの薄い本のほうが出番が多いです。『斑雪(はだれ)』が入っていないのですが、持ち歩くのは文庫本がやはり便利です。
『雪の上の足跡』の冒頭、雪の積もった雑木林の中を歩いてきた学生と宿の主の会話は、まるで今朝のもののよう。昨晩サッカー観戦に夢中になっている間に残雪に新たな雪が積もり、今朝あたりは再び真っ白になっています。家の周りの雪の上には、野鳥と猫の足跡が沢山ついています。先日林の中で見かけたそのほかの足跡はみあたりません。わずか400mほどの距離ですが、やはり山に住む動物は安全なところを知っているのですね。
雪を被った追分の山小屋でランプなんぞを天井から吊るしながら、曇ったガラス窓の向こうには夕暮れの雪景色。そこで本を捲っているのは立原道造であればいいがと、堀辰雄も思ったに違いないな・・・と。
そろそろ村中に降りて、ストーブに火を入れて開店ですが、多分昨晩のサッカー観戦で今日は静かなことでしょう。祝アジア杯優勝!!
実は予想に反して、沢山の来店者ありで、ブックカフェのご利用も多かったのでした《汗》。ありがとうございました。
■店の裏の野鳥食堂でもシメが居座り、他の鳥のヒンシュクをかっていました。
■蕎麦屋のササクラさんは、昼間の営業は再開されています。夜はこの週末も開いていませんでした。